一般社団法人日本朗読検定協会 公式メールマガジンにいただいたご質問より


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質問:

高校生で、大会等で2分の原稿を読むことが多いのですが、よく、

「表現を全ての部分につけすぎてどこが山場か分からない」

「もう少し抜くところは抜いた方が良い」

と指摘されます。しかし、ただ淡々と読むのも違う気がします。

表現を強調しない部分(地の文に多い)はどのような意識で読むといいのでしょうか。

又、「山場を一個か二個に絞った方が良い」ともよく言われるのですが、山場というか強調する場所はどのように選べば良いのでしょうか。


とのご質問をいただきました。

このご質問に、朗読検定(R)認定プロフェッサーの2名が回答しました。


【回答1】
大会で原稿を読む機会が多いのですね。晴れの舞台、素敵ですね。

さて、ご相談ですが、原稿はご自身の書かれたものでしょうか?
もし、そうでしたらもとの内容、伝えたいことは頭にあると思うので、原稿を読むのではなく、手元にはキーワードぐらいを置いて、まず語ってみてはいかがでしょう。
時間は気にせずに。
語ることで、ご自分が一番伝えたいこと、山場が見つかるのではないかと思います。

ご自分の原稿で、修正が可能でしたら、語ってみて「よく分からない」「伝わらない」「うまく思いを表現できていない」ところを書き直してみることもよいと思います。

もし、原稿はご自分のものではなく、変更修正もできない場合には、まず小声で声に出して読んでみて、文章が伝えようとしていることは何かを丁寧に分析されることをお勧めします。
その中で
「伝えたいこと」
「伝えたいことをよりよく理解してもらうために説明すること」
「聴き手を文章に引き込むための表現」などに分けられると思いますので、それらを踏まえた上で「山場」を意識して読んでみてはいかがでしょう。

ぜひ、皆さんに伝わる朗読を目指してくださいね。

ご質問ありがとうございました。


回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 藤野篤子




【回答2】

Kさま、ご質問ありがとうございます。

「抜くところは抜く」

確かに大切なことだと思います。

また、その抜き方にも、個性が現れてくるのかな、と思いますね。

全てが一生懸命だと、一生懸命さは伝わっても、じゃあどこが一番大事なの?となった時に、聴く側としては判断が難しくなったりするものです。

文章ごとに、「そこで何が大事なのか」ということを考えていくといいかと思います。

誰かと話している時を思い出してみましょう。

そんなに全てに表現を加えているかというと、そうでもない気がします。

かえってその方が伝わりやすかったりも。


淡々と読む、というとどうもマイナスに感じがちなので、抜いて読むのも一つの表現、と考えると良いと思います。

強調したい部分を際立たせるための、抜く部分。

逆に抜いた部分が際立つ、なんていうこともよくあります。


山場の選び方ですが、その文章を話す事の目的は何か、という事を考えると良いと思います。


例えば中島敦の山月記。

冒頭は


隴西の李徴は博学才穎、

天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、

性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。


と始まりますが、

ここで本当に大切なのは、


李徴はすごく頭よかったけど、ちょっとやな奴だった。


ということかと(僕は)思います。

どこどこの試験に受かってこんな仕事をして、というのも大事ではありますが、

最低限伝えておきたいのは、頭いいけどやな奴、

になるのではないでしょうか?

(この、最低限の絞り方にも人の個性が出てくるものなので、参考程度にしてください)


この、最低限必要な部分を赤、まあまあ必要な部分を青、などと色分けすると、視覚的に表現の助けになるかもしれません。

あとは、自分の好きな所を見つける。

例えば僕は「博学才穎」という言葉の響きが好きなので、読むとしたらここに何かしら遊びを加えたいな、と思ったりします。

この好きな部分を緑、などで考えてみるといいと思います。


この色分けは、

『三色ボールペンで読む日本語』著:齋藤孝

の受け売りなのですが、

朗読する時の考え方として、便利かと思います。


すごく大事は赤、

まあまあ大事は青、

自分の好きな所は緑。


こうすると、大切な「山」が絞れてくるかと思います。

(色だらけにならないように注意は必要ですが…)



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 西村俊彦

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