一般社団法人日本朗読検定協会 公式メールマガジンにいただいたご質問より


ペンネーム:Akiさん
 

質問:

こんにちは。朗読の勉強を初めて間もないAkiと申します。

とりあえず音読に少しでも慣れていこうと思い、毎日小説や物語を声に出して読んでみていますが、やはりセリフが特に難しいです。

というのも、書かれたセリフというのは、実際に日常で話したり聞いたりする言葉とはちょっと違うことが多いからです。また、演劇用の台本のセリフともちょっと違うような気がします。

つまり、話し言葉のようで話し言葉ではない。会話であってもすこしあらたまった「文章」のようなものが多いような気がします。

その「書き言葉」であるセリフを自然な感じで表現するには、なにかコツがありますか?



とのご質問をいただきました。

このご質問に、朗読検定(R)認定プロフェッサーの4名が回答しました。


【回答1】
Akiさん、こんにちは!
「物語のセリフ」は話し言葉とは違うこと、さらに、演劇台本のセリフとも違うことをよくおわかりで、きっとセリフを自然に読むために様々なものを読んだり調べたりされたのだと思います。
仰ること、まったくその通りです。

私は俳優として活動しながら朗読の勉強を始めたので、その経験から2つ、ポイントをお伝えさせていただきますね。

「物語のセリフ」には視点がある
物語に出てくる「」には、じつは大きく分けると2種類あります。
1つはその登場人物がまさに話したセリフ、もう1つは登場人物の言葉を語り手が語っているセリフです。
当然2つは読み方が変わって来ますよね?…登場人物本人のセリフならばその人の心情になり、語り手が語るならば語り手の口調のなかに語り手の描く登場人物像が少し混ざってくる。(日常で「そのとき〇〇さんが、『△△』って言ったの!」と言う時、のイメージに近いです)
2つをまず区別し、読み分けることを考えてみてください。

⊇颪言葉を自分の言葉として理解する
演劇も、現代劇ならば話し言葉に近いセリフが殆どですが、サスペンスの謎解きをする探偵、時代劇、古典作品などは現代の話し言葉とはかけ離れた「書き言葉」的なセリフがたくさんあります。
それを舞台上で生きたセリフにするための俳優のアプローチがヒントになるかと思います。

ズバリ!まずはセリフの内容はそのままに、自分の喋りやすい喋り方に書き直して声に出してみてください。
そして、この状態で録音してみて、セリフの内容が理解しやすいかどうか、必ず聴いてみてください。
自分の話し言葉で内容がしっかり伝わると感じたなら、セリフの中でどこに強弱・緩急・高低・間を取ったらよいか、すでに身体で理解しているはずです。

この練習をした後、作品に書かれた通りの口調で読んでみると…じつは、言いにくかったのは語尾やちょっとした言い回しで、大切な情景や内容は話し言葉でも書き言葉でも殆ど変わらないことに気づきます。
話し言葉で声に出すことで身についた表現の方向はそのままに、その文章の描かれた時代や作風、人物設定などに気をつけながら、語尾や言い回しを調整します。
この時、その作品の背景に近い映画などの役者さんの口調を真似してみたりするとやりやすいです。他の方の朗読を色々聴いてみるのも近道です。
こうして調整を終えた時、「書き言葉」は自分の「話し言葉」のように読みやすくなっているはず!

「物語のセリフ」も、その物語の世界の住人にとっては「話し言葉」なのですね。
まずは現実世界にすむご自身の言葉に翻訳して内容を理解し、それから物語の中に飛び込み、その世界の話し言葉の「きまり」を守ってみるような感覚で、トライしてみてはいかがでしょうか?




回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 石橋玲




【回答2】

ご質問ありがとうございます。

「物語のセリフ」を自然に聞こえるようにするには、とのこと。


これは確かに、私も感じます。

小説の台詞は、演劇の台詞よりも読みにくいことが多いですね。

作家にもよると思いますが、小説と戯曲の台詞の大きな違いは、

「声に出すことを前提に書かれているか否か」

だと思います。

小説の場合、どうしても文字情報になるので、多少、「日常ではそんなに細かく喋らないだろう」

みたいな事まで丁寧に台詞にしてあるケースが多いように感じます。

その方がイメージも喚起しやすいし、読んで分かりやすいのだと思います。

対して演劇の台詞は、人の動きや間、関係性などを実際に舞台で見せることが出来るので、

過度な装飾よりは、行間、に多くのものが込められているケースが多いですね。


しかし、小説を朗読する場合には、小説の台詞を喋らねばなりませんから、

「すこしあらたまった文章」を、いかに自然に読んでいくか、は重要なポイントですね。


そこで私がオススメしたいのは、

一度、「自分語」に翻訳するというやり方です。


夢野久作の『老巡査』から台詞を例にとりますと


「見舞に行くには及ばぬ。君のような人間が現場に立会ったとて役に立つものじゃない。留守をして電話でも聞いていたまえ」


主人公の老巡査が、署長からすごい怒られる台詞です。

怒ってるのに、及ばぬ、ものじゃない、たまえ、など、比較的優雅?というか文字数が多い?というか、あらたまった感じがします。

これを、例えば私が極端に自分の言葉にすると

「馬鹿か、じっとしてろ!お前が行って何になる!大人しくしてろ!」


となります。

大分荒々しくなってきました。

そして、一回これを声に出して見る。

自分の言葉なので気持ちもノリやすいはずです。


そして今度は、この気持ちを忘れずに、同じ感情を、

決められた文章の型に流し込んでいく。

するとあら不思議、あらたまった感じが少し和らいだ気がしませんか?


ちょっと堅苦しい言い方をすれば、

台詞に語られている目的を絞る(この場合は、怒る、なじる、おとしめる等)ことで、

人物が喋る目的を明確にし、誰に、どう影響を与えたいのかを考え、

それを言葉にしっかりと流し込む。

という事です。


良かったら一度試してみて下さい。

文語で書かれているものなど、時代的に自然に話せない文章にも効果的です!




回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 西村俊彦





【回答3】
Akiさんご質問ありがとうございます!
毎日小説や物語を声に出して読んでいらっしゃるなんて素晴らしいですね!やった努力は必ず報われると私は信じてます、お互い頑張りましょうね(私はAkiさんよりナマケモノですが)。

さて、セリフのコツということですが・・・、書かれたセリフが「日常会話の言葉や演劇のセリフと違う感じ」「あらたまった、文章の様な感じ」がするのは何故でしょうね?理由は色々考えられます、物語の時代背景、セリフを言っている人物の年齢、社会的立場、会話状況等々、一概には言えませんが、まずは‘何故日常と違うと感じるのか’を自分なりに考えてみることが大切ですね、自分にとって馴染みの薄い会話表現を「書き言葉」だからと一括りに考えてしまうのは危険だと思います。
例えば、明治時代の軍人と令和の若者は同じしゃべり方はしませんよね、また同じ人物でも気楽に話している時と意図的にマウント掛けてるときではしゃべり方の固さは違ってくる。
理由が分かれば、‘あらたまった’会話も決して不自然なものではないと感じるかもしれませんよ。
そしてもう一つ、セリフを言う時に何より考えるべきはそのセリフに込められた感情だということをお忘れなく。
何故、どんな気持ちでそのセリフを口にしたのかとことん考えることが大切です、それは作品解釈でもあるわけですが、自分の中でその解釈がはっきりしていれば、例え技術的に拙くとも聞き手に伝わるものはあります。Akiさんの求める自然なセリフ表現への糸口はそこにあるのではないかと思います。
セリフのコツは喋り方の表現技術ではなく徹底した感情分析にあると思います。
いかがでしょうか?もし分かりにくい事があればまた質問くださいね。


回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 赤須薫



【回答4】
「台詞だから」と意識し過ぎていらっしゃるのかもしれません。
先ずは地の文と同じテンションで読んでみて下さい。
その後で、台詞の文章が物語の誰に向けられて発せられているか、自分が発する側になって相手(発せられる台詞の向かう先)に目線を向けながら読んで下さい。

基本的には書き言葉も話し言葉も台詞には変わりません。
必要以上に大袈裟に盛ってしまうと不自然になってしまうので、会話の相手を想像して目線を送る、台詞を発する側の心情を汲み取って(声の張りや間で…(これは声優の表現テクニックの一つなので、これだけをやっても意味は無いのですが))表現してみる。
という練習をされてみては如何でしょうか。



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 井上まい




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