一般社団法人日本朗読検定協会 公式メールマガジンにいただいたご質問より


ペンネーム:I.Cさん

ご質問:「アニメ声と朗読の声はどこが違う?」

朗読教室にて、2年数ヶ月で、検定は準二級を受験して、結果を待っている者です。

早速で、恐縮ですが質問をさせていただきます。

声の質についてです。
私は、腹に力を入れて読むと低音になり声も太いと思います。
しかし、普通の会話では、それほど低くなく、優しい声も、高い声も出ていますが、
アニメ調にならないように低くと、指導を初めに受けました。朗読するもの全てが、同じ様な声質になる事が気になっています。元々
の声の質は変わらないのかと思いますが、アニメ声と朗読はどこが違うのでしょうか?また、アニメ声は映像があって伝わるという事
でしょうか?

ご教授よろしくお願い致します。



とのご質問をいただきました。

このご質問に、朗読検定(R)認定プロフェッサーの2名が回答しました。


【回答1】
ご質問ありがとうございます!
アニメ声と朗読の違い、ですね…。
まず、アニメ声が悪い、という訳ではない、という事をまずは言いたいですね。

「アニメ声は映像があって伝わる」ということか、というと、

映像はなくても伝わる声だ、と思います。
アニメの絵に、よりマッチしやすい声、とは言えるかもしれませんね。

というか、「アニメ声にならないように」という指摘はよく聞くもので、
「アニメ声=悪」みたいな印象が出来ているかと思いますが、
こういう場合に言われる「アニメ声」とはなんなのか、という所から考えなければならない気がしています、僕は(笑)

アニメ声、というくくり方は、指摘する側にとっては非常に使いやすい言葉だと思うのですが、
言われた側としては、「いや、もともとこういう声だし、私、アニメじゃなくて実在する人間だし」
という気持ちになると思います。

では、アニメ声、という場合に具体的にはどんな声の事を言われているのか、と考えます。

アニメは(ひとくくりには言えませんが)僕のイメージでは、
日常生活とはある程度離れた事柄が多く描かれているような気がします。
キャラクターも、ディフォルメが加えられている事が多く、
絵が「何かが強調された形」の表現がされている場合が多いと思います。
その、「強調された」キャラクターが話している言葉が「自然に聞こえる」ために、
「何かを強調した」台詞回しをしているのが、アニメの演技法かと、私は考えています。
極端な話をすると、歌舞伎みたいなものだと思ってます。

その強調の仕方は大きく分けると
・台詞回しの強調
・雰囲気の強調
の2タイプに分かれている気がしています。

台詞回しの強調に関しては、
アニメの場合、日常人間が喋るレベルよりも、抑揚が激しい傾向にあるようなイメージがあります。
(これも、アニメによりさまざまなので乱暴な言い方なんですが…)

雰囲気の強調に関しては、
キャラクターの外見に合わせて、「クール」とか「かわいい」とか「渋い」
みたいな事を、声の音色の時点で伝わりやすく強調して声を出す、という演技法のような気がしています。

で、アニメの場合に有効なこの2点の演技法が、
朗読になるとどういう影響があるか、という事です。

朗読、という表現の傾向として、
これも流行りがあると思うのですが、
現在は、
朗読は、自然に、もしくは、しっかりはっきり
みたいな事が主流になっているかと思います。

自然派の指導者からすると、
「アニメ声」は、抑揚が大きくて、キャラクター説明が過剰な声

しっかりはっきり派の指導者からすると、
「アニメ声」は、雰囲気が合わない声

というような事になるかもしれません。

いずれにせよ、指摘として言われる場合の「アニメ声やめて」には、

・抑揚が大きすぎる、または必要のない抑揚が多い
・内容の雰囲気と声の雰囲気がマッチしない

という二通りの方向が考えられます。

まず、抑揚に関しては、日本語は文章の塊の中で、頭が音が高くてお尻に近づくにつれて低くなるというルールを体で覚えるといいです。
その中で、強調したい部分、意味の切り替わりにはまた音を持ち上げるのですが、

「私は朗読が大好きです」

という文で、「私」「朗読」「大好き」というパーツごとに音を立て直したりすると、
聞く側としては過剰な印象を受けます。
(過剰に伝えたいならそれで正解の場合もありますが)
音の高さの波でみると、波が大きく、かつ多い状態です。

実際のアニメはそんな事ないと思うんですが、
この「波が多すぎる、大きすぎる」現象は、なぜか「アニメ声」
という呼ばれ方をする場合が多いように思います。
なのでまずは抑揚に注意。


そして次に、雰囲気です。
I.Cさんがどんな声か私は分からないのでなんとも言えないのですが、
声が「何か強い雰囲気を持っている」から、「アニメ声」と言われる可能性があります。
たとえば「かわいい」とか「きゃぴきゃぴしてる」とかです。
何か雰囲気の堅い文章、たとえば中島敦の『山月記』などを朗読するときには、
かわいい、とか、きゃぴきゃぴしてる、みたいな要素が、話の内容や文体とうまくマッチしない可能性が高いです。
逆に、女子高生の日記を、渋い声のおじさんが朗読する、とかでも、マッチしない感がありませんか?

なので、

I.Cさんが持っている基本の声と、作品の雰囲気が合わない
アニメ声やめて

という指摘になっている可能性もあると思います。

声に敏感であれば、無意識でも、

「かわいく見られたい」「かっこよく思われたい」

等の意識が、声に現れてくる、声にお化粧をしている、という事はよくあります。
そして、声にお化粧を出来るのは素敵な事だと思います。

ただ、このお化粧が、過度だったり、TPOに合わなかったりすると、
これまたなぜか「アニメ声」のレッテルを貼られる事が多いです。

なので、自分が表現で使っている声がどんな声か、という事を、丁寧に見つめてみると良いと思います。
そして、自分が感じた作品の雰囲気にマッチするようなお化粧をしてみる、と良いと思いますよ。
そもそも「お化粧NG」みたいな方針もあると思いますので、
これも、指導者によりけりですが。

アニメ声にならないように低く、という事は、
おそらくは、作品が落ち着いたものなのではないでしょうか。
そして、朗読という表現ジャンルに、結構多いニーズが、

「落ち着いた低い声」

なんだと思います。だから、どれを読んでも同じ声になってるような気がしてしまうのかもしれません。

私は、普段話してるみたいに朗読が出来るのが最高、と思ってますが、
この「普段」にもいろいろなレベルがあるので乱暴な言い方に変わりはないのです(笑)

声の質で「アニメ声」と言われる場合には、
何らかの特徴が際立っている、という事なので、それは武器になると思います。

自分の声を嫌いにならずに、武器を磨きつつ、
いろんな声を出せるようになると楽しいですね。

・抑揚
・声の雰囲気

の二点に注意、というお話でした。
論点ずれてたらすみません。




回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 西村俊彦





【回答2】

I.Cさん

ご指導をされていらっしゃる指導者さんが、どの様な意味で「アニメ声」と仰ったのか分かりませんが、アニメの表現ではしばしばオーバーリアクションを求められます。

抑揚を大きくつけたり登場人物の性格をそれぞれ極端に設定したり台詞前に吐息をしっかり入れたり

それはアニメのキャラクターが画面上で見せる仕草をよりリアルにさせる技ではあるのですが、

朗読に用いる文章はアニメの台本よりも落ち着いた内容が多いかもしれませんね。

聴き手が内容を押し付けられているような感覚になると朗読は聴いて貰えません。

 

高くて張った声や早口は時として押し付けられているように感じる事が多いので「低い声で」とご指導されていらっしゃるのかもしれません。


「同じ様な声質になる」というのは、低い声で話そうと意識するあまり、抑揚が少なくなっているのかもしれませんね。

自分は朗読の時に抑揚を極端に抑える必要は無いと思うので、ゆっくり落ち着いて相手に話すことを心掛けられると良いと思います。

 

ちなみに、映像があっても画の表現に役者の音声表現が追い付いていないと内容は伝わって来ませんね。

我々も日々練習あるのみです。




回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 井上まい


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