魅力ある朗読って何、というお話です。
 
ギターで例えますと、
 
クラシックギター、ジャズギター、フュージョンギター
=アナウンス、ナレーション、朗読CDやオーディオブック
 
ブルースギター、ロックギター
=ライブ朗読
 
クラシック、ジャズ、フュージョンのギターでは、
ミストーンはミスでしかなく、
「味」とは見なされないことが多いですが、
ブルースや、ロックギターだと、「味」になります。
 
※ジャズでもミストーンが味、と言われることがありますが、ざっくりで捉えてください。
 
例えばですが、ジミー・ペイジという、
超有名で魅力的なロックギタリストがおりますが、
彼よりも正確に弾ける人は無数にいます。
 
世界中に彼のファンは多いのですが、
その人達は、彼に「正確無比な演奏」を求めていません。
 
デュアン・オールマン、ジミ・ヘンドリックス、
スティーヴィー・レイ・ヴォーン等も同じではないかと思います。
 
朗読で言うところの、滑舌(発音)のミス(「噛んだ」と言われる状態)、
「音づまり」をしても、
 
「今のかっこいい!」
 
朗読で言うところの、アクセントの間違い、
「音程を外してしまう、上がりきらない」ときも、
 
「味がある!」
「泣きだ!」 

と言われるわけです。
 
私は、魅力のある朗読というのは、
ブルースや、ロックギターと同じなんじゃないかな、
と思います。
ミスも味だと思われるような朗読。
 
そういうものだからこそ、
アナウンサーやナレーターの経験がなくとも、
観客を魅了する朗読が出来るのではないかと思います。
 
ロックやブルースのように、
「聴く人に愛される朗読」。
 
青空文庫朗読コンテストが、
この「聴く人に愛される朗読」へのヒントになれば幸いです。