(社)日本朗読検定協会 公式BLOG

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台詞

メルマガへのご質問 「話を語るコツ」


一般社団法人日本朗読検定協会 公式メールマガジンにいただいたご質問より


ペンネーム:HTさん
 

質問:

私は舞台役者として活動しているのですが、

朗読検定準2級を受けた感想として、舞台上での台詞とは違い、

役でしゃべるのではなく話を語るというのが難しかったです。


朗読において何かコツなどがあったら教えて頂きたいです。


とのご質問をいただきました。

このご質問に、朗読検定(R)認定プロフェッサーの3名が回答しました。


【回答1】
HTさん、ご質問ありがとうございます!

演劇の台詞とは違う「朗読のコツ」が知りたいと言うご質問ですね。

実は、私も20代の若い頃、役者として舞台に上がった経験があるので(プロと名乗るにはおこがましい程度の経験ですが)、役者さんであるHTさんの感覚が少しは分かる気がします。


さて、朗読する時、台詞が苦手という方も少なくありませんが、役者さんにとっては台詞の部分はむしろ楽かもしれませんね、普段慣れていることですものね。でも地の文を‘語る様に読む’となると勝手が違ってしまう…何故なのか?芝居の台詞と朗読(特に台詞以外の地の文)の違いは何なのか?

私が思うに、一番の違いは話し手の感情が表出されるか否か(もしくは表出の程度の違い)です。


役者さんは常に役の人物がどんな感情でその台詞を言っているかを考えますよね。

例えば「彼女は雨の中に立っていました」という時、芝居の台詞なら、その台詞を言っている役の人物は彼女とどういう関係なのか、その台詞を喜んで言っているのか悲しんで言っているのか、より深く深く考えていきますよね。場合によっては言葉の意味より、そこに込められた役の感情こそが伝えるべき内容であることも少なくないと思います。

それに対して、同じ事をアナウンサーが純粋にニュースとして伝えるとしたらどうでしょうか、伝えるべきは原稿に書かれている文章の意味であり、そこにアナウンサーの個人的感情を入れるべきではありませんよね、地の文を読む時にはこの感覚に近いものが必要です。

役者さんは感情にのせて言葉を伝える訓練を受けていますから、逆に自分の感情を乗せずに内容を伝えるということを難しく感じるのではないかと推察するのですがいかがでしょうか?感情のままに喋っていた時には自然に取れた間が感情という‘頼り’が無くなった途端に上手く取れなくなってしまう…私もそんな経験をしてきました。


ではどうしたらいいのか?

私は朗読独特の表現方法(プロミネンスや抑揚、間の取り方、etc.)を技術として分析的に捉え直してみることをお勧めします。表現技術、方法は具体的なものであって、残念ながら「コツ」として一言でまとめられるものでは無いですが、敢えて「コツ」という言葉を使うなら、より多くの技術、方法を体得していくことが「コツ」といえるかもしれません。

私も色々な朗読教室で指導を受けたり、独学で本を読んだりして一つ一つの技術を身に着けてきました、そして、それらの技術をどう組み合わせ使っていくかが読み手各々の感性の問題になってくるのだと感じています(知識として知っていることと作品表現の中で効果的に使いこなせる事とは雲泥の差なのが一筋縄では行かない朗読の難しさですが…トホホ)。


役者のHTさんは腹式発声や台詞表現など既に得意な事も多いことと思います、また、全編が独白調の作品なら地の文に感情を入れられてHTさんには読み易いかもしれませんよ、ご自分の個性が生きる作品を選びつつ、それプラス、より多くの技術も自分のものになさって楽しみながら朗読表現の幅を広げていけるといいですね!



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 赤須薫

赤須薫さんも出演する、「あなただけに読む朗読会」東京 2019年4月16日(火)
「あなただけに読む朗読会」ご予約

【回答2】

HTさん


私も舞台役者から朗読に入った口なので、この質問はよく分かるなぁ、という感じです。

朗読では、舞台以上に、「誰が、誰に向けて喋っているか」という視点が重要になってくるように思います。


よく地の文は「神の視点」「作者の視点」といった言われ方をしますが、要は、「語り手」役であると考えるとよいかもしれません。


物語の登場人物とは異なり、聴く人にアクセス出来る「語り手」役を、地の文では演じれば良い、と考えれば、舞台役者をされているのであればしっくりくるでしょうか?


地の文の文体が、「私は」なのか、「彼は」なのかで、即ち当人なのか第三者の視点なのかでも心持ちは変わってくると思います。


落語なども、人物を演じるパートと噺家が喋るパートが入り乱れる形態なので参考になるかもしれません。


地の文を読んでる私は一体何者なのか。

ここに気付けるかどうかが、地の文上達の秘訣かと思います。

私はよく「この面白い話を皆さんにお届けする自分」という心持ちで地の文を読むことがあります。

この文章のここが面白い、ここが見所、という気持ちを、「私はこう思ってます」と聴く人にプレゼンするような気持ちを持ってみるといいかもしれません。


また、台詞に比べると地の文は平坦で退屈になりがちです。

地の文を読んでいる「私」にとって、「プラスの情報かマイナスの情報か」という「価値の判断」をしっかり考えて表現していくと、面白くなってくるものかと思います。

あとは、情景描写であれば、物の位置関係。

「空の上」と「地の底」では、全く違う音が出てくると思います。

一般的なイメージの話ですが、「空の上」ならば、明るめの音、「地の底」ならば、暗めの音がしっくりこないでしょうか?

上を向いて声を出せば声は明るく、下を向いて声を出せば声は暗くなってきます。


物の位置や、空気の温度、そういったものに敏感に価値判断をしていくと、地の文がもっと楽しくなるかと思います。


ただ、あまりやり過ぎると「コテコテで押し付けがましい」なんて言われたりもしますから難しい所ですが(笑)

ちょうどいい匙加減を、探り続けてみて下さい。


回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 西村俊彦





【回答3】
HTさん

私も舞台役者としての活動を経て朗読の勉強を始めたので、HTさんのお悩みはよくわかります。
同じ悩みを抱える役者さんから相談を受けることも多いですし、朗読を長く勉強されている方から「役者さんはセリフになると生き生きするけれど、“地の文”がしっかりよめていない」という批判を耳にすることもあります。
役者としての活動をしながら朗読もしている私なりに見つけた答えは、「語り手の役作りをする」ということです。
“地の文”を語っている人は誰なのか、どういう状況でどういう視点から作品世界を見ているのか、役としてセリフを喋る時にするような役づくりや考察をしてみると、朗読は劇的に面白くなりますよ!
キャラクターが書き込まれているセリフ以上に自由な役づくりが出来るのが“地の文”です。
役者だからこそ出来る朗読を、楽しんでみてはいかがでしょうか?


回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 石橋玲



HTさん、ご参考になりましたでしょうか?


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メルマガへのご質問 「セリフの読み分けをどうしたら良いか?」


一般社団法人日本朗読検定協会 公式メールマガジンにいただいたご質問より


ペンネーム:JJ
 

質問:セリフの読み分けをどのようにしたら良いか?

はじめまして、JJです。

朗読は始めたばかり。

協会からのメールを読む度刺激されます。

ありがとうございます😊


さて、質問です。

小説で登場する人物の台詞は

どのように読み分けたらよいのでしょうか?

声を出すことすら初心者です。

誰の台詞なのか、聴いている方に分かっていただけるよう表現するにはどうしたらよいか、大変難しいです。

アドバイス、よろしくお願い致します。


とのご質問をいただきました。

このご質問に、朗読検定(R)認定プロフェッサーの5名が回答しました。


【回答1】
 

それは難しいでしょうね。

なかなか簡単にできることではありません。

まずは、何回も読んで、そのセリフを誰が誰に向かって言っているのかを理解する必要があります。

初めのうちは、セリフのところに名前を書いておくのもいいかもしれません。

落語で使う「上下(かみしも)」という所作があります。二人の会話の時、顔を右左に向けて話している様子を表します。

これもしっかり意識してやらないと、途中で話し手が逆になったりして結構大変なんです。

ちょうど今、私は音訳の作業中なんですが、あれ?このセリフは女の人かな?男の人かな?と分からなくなって、もう一度前から読み直したりしています。

結構長くやっていても、セリフの部分は苦労します。

自分で納得できるまで、何回も読むことが大事だと思いますよ。


回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 佐々木一夫


【回答2】
 

初心者と言われながら、聴き手ありきの朗読を意識された質問をされていて素晴らしいです。

さて、ご質問について、一つのやり方をお伝えしたいと思います。

現在取り組まれている作品は小説だとのこと。そうなると台詞と地の文がありますね。

そこで、

‥仂貎擁をまず書き出してみましょう。

⊆,乏董垢凌擁について、どんなキャラクターかを考えるのですが、

性別、年齢、家族背景、職業、習慣、趣味(身につけるものも含め)、癖など

台詞、地の文から各々の人物に関係する描写から拾い出します。できればノートに書き出すとよいです。

長い作品について全て書き出すのが大変と思われるなら、テキストを(拡大)コピーして、各々の人物に関する描写を色分けして蛍光ペンなどで印していきます。

すでに読まれている中でイメージはお持ちと思いますが、声に出して読んでいるだけではスルーしてしまっていることが結構あります。※

色分けされた部分、あるいは書き出されたものをもとに、登場人物の台詞を声に出してみましょう。


※例えば私が今練習している作品に、ある登場人物がパイプに火をつける場面があるのですが、

始め、そのことをこの登場人物のキャラクターに加えるのを忘れていました。

「パイプを吸う」ということはそれだけでも時代背景や、その人の年齢、社会的地位あるいは時間の使い方…いろいろなことが見えてきます。


まず、ここまでなさってみてください。

もうすでに以上のことをやっていらしたなら、是非またご質問くださいね。



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 藤野篤子


【回答3】
 

こんにちは倖月美和です。

ご質問の回答です。

おままごとの経験はございますか?○○ごっこでもよいと思います。その時は声優のように声色を変えなくても、お母さん、お父さんになったり、赤ちゃんになったり、ヒーロー、ヒロインになったり、ペットになったりとなりきっていたと思います。一人でぬいぐるみと話をしたり、人形とお話したり。

まずそれを思い出してみてはどうでしょうか?それがなんとなく思い出せたら、今度は想像力です。なりきっていたときは、きっと、頭のなかにこんな人物というのがあって無意識にそれを自由に演じていたのではないでしょうか?それと同じで文章を読んだときの、登場人物の姿や動き性格なとどんどん想像しましょう。
その人物の動き、息づかい、呼吸、気持ちを語るのです。想像した人物にアテレコするような感覚です。その感覚をつかむまで、練習してみてはどうでしょうか?

声を変える必要はありません。声を変えなくても、同じ動き、呼吸のひとはいないはずです。なので必ず聞き手には伝わります。反対に演劇のように演じすぎてしまうと、聞き手は色々想像できなくなり、聞いていてもつまらなくなってしまいます。
朗読を聞くのが好きなひとは想像するのが好きな人だと思うのです。こう読もう、ここは大きく、ここは小さく、ここはゆっくり、ここは早くではなく、想像そのものを語れるようになると、どんどん上達すると思います。想像も楽しくなるはずです。技術は表現したいものを作るための、道具にしか過ぎません。楽に沢山楽しんでくださいね。それが上達の近道です。



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 倖月美和


【回答4】
 

台詞の読み分けは、どうしたらいいかという事ですね。

朗読を始めて間もないという事ですので、台詞の速度を変えるという事をお勧めします。
本文、台詞A、台詞B、台詞C、という様に3段階か4段階に普通、遅い、速い。

この程度で練習してください。

速度という意識は、朗読には大変大切な意識です。

無意識で不安定な速度は、聞き手にとって時に聞きづらさや、内容が把握しにくいなどの表現に困難が発生します。

是非お勧めします。
声の質を変える、色々な声を出すなどの読み方にしないで基礎力として「速度」に集中して練習してはいかがでしょうか。

又、本文と台詞の練習を分けて、台詞だけの練習もお勧めします。

自分で納得した台詞読みが出来て、本文と合わせるのも良いと思います。

まだまだ色々とありますが、まずはここからお始めください!



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 金野和弘


【回答5】
 

JJさんご質問有難うございます。

そして、ウエルカム朗読ワールド!
お会いしたことのないJJさんですが、また一人朗読を始められた方がいて、朗読仲間が増えたと思うだけでとっても嬉しいです。

ご質問は、登場人物の読み分けについてですね。

確かに難しいですよね、特に一度に何人も登場して会話している場面などは読み手自身の頭がこんがらがってしまうこともあります。()

さて、台詞を人物ごとに読み分けようとしてまず考えつくのは声色そのものを人物ごとに変化させることではないでしょうか。

出来るだけリアルに老若男女の登場人物に合わせ「声を作る」わけです。
人物ごとに声が変わるのですから、単純に聴き手にも分かり易いと思えますが、声色を変えるためには声の高低に始まり、地声、裏声の選択、声の張り具合、息声にする分量など様々な要素の組合せ、工夫が必要で、実際にはベテランの朗読者でも得意な方と不得意な方に分かれるように思います。(好き嫌いも分かれると思います)

また、いくら頑張ってもリアルな表現に限界(中高年の男性が若い娘の声を出す場合など)があることも確かです。

もちろん、声色にはあまり変化をつけず、台詞のスピード、間の取り方などで人物の違いを表現することも十分できます。


(JJさんは落語を聞いたことはありますか?落語家の方は特に声色を変化させることなく何人もの登場人物を自然に演じ分けていますよね。)

また、小説の地の文には「○○さんは言った。」など、誰の台詞か明確に書かれている場合も多いですし、台詞の内容からも聴きては人物を特定出来ますので、声色の演じ分けだけに神経質になりすぎる必要はないように思います。

 むしろ、忘れてはいけないのは、それっぽい声色を出すことがその人物を表現することとイコールではないということです。

お姫様っぽい声色を出せたから、お爺さんっぽい声色を出せたからそれでその登場人物を描き切れたと思うのは間違いです。

大切なのは作品全体をきちんと読込み理解すること、その上で各登場人物の性格や置かれた状況、感情の移り変わりなどを深く洞察することが人物の演じ分けの基本です。

(年齢性別、性格、嬉しい、悲しいといった感情だけでなく、何色の服を着ているのか、お腹は空いているかなど本文に書いていないことも想像してみましょう。)

基本の洞察を忘れて、表面的な声色作りだけに走ると人物描写が薄っぺらくなり、かえって物語の筋が分かりにくくなってしまう事さえあるので、要注意です!

 さて、基本を押さえたうえでさらに適切な声色も使えれば、よりドラマチックな朗読表現も可能になります。

初心者のJJさんには、こんな練習はいかがでしょうか。

 「おはよう」など、ごく単純な台詞をひとつきめます。

,泙困麓分の普通の声で、明るく、暗く、眠そうに、怒って、泣いてetc.思いつく限り色々な言い方をしてみましょう。

⊆,貌韻源を、普段の自分の声より少し高い声で、また低い声でも言ってみましょう。

今度は、もし自分が幼児に戻ったら、高齢者になったらと想像して同じことを言ってみましょう。

どうですか?変化をつけられますか?

単純な台詞から少しずつ、しゃべり方に変化をつけるとはどういうことかを実感していってみて下さい。

自分なりのやり方が見えてくると思います。

感じがつかめたら、台詞をちょっとずつ長いものにしてみても案外感情をのせて言えると思います。

それが出来たら、今度は自分以外のキャラクターを設定して、のんきな人がしゃべるのと、せっかちな人がしゃべるのではどう違うか等、色々広げていってみてください。

以上、少しでもJJさんのお役に立てることがあったなら幸せです。

私は初心者のJJさんよりは長く朗読をやってはいますが、それでもまだまだ思うようにいかない事、勉強することが一杯です

難しいこともあるけど、とにかく一緒に朗読楽しみましょうね!



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 赤須薫


JJさん、ご参考になりましたでしょうか?

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採用された方には、「CD付き プロが教える 朗読 心に届く語りのコツ50 (コツがわかる本!)」(葉月のりこ監修 メイツ出版・刊)を1冊お贈りいたします。

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プロフィール

代表理事

1970年大阪市生まれ。TBS系列で、TV・ラジオ番組の制作、ナレーター・声優事務所の営業マネージャーを経て、日本朗読検定協会設立に携わる。朗読検定(R)開発者。(一社)日本朗読検定協会 代表理事。NHK全国大学放送コンクールでは、第30〜35回の6年連続で本選審査員を務める。実父は文楽の三味線奏者、鶴澤清治。(重要無形文化財保持者/日本藝術院会員)親戚に、同じく文楽の義太夫、六代目竹本織太夫がいる。

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