一般社団法人日本朗読検定協会 公式メールマガジンにいただいたご質問より


ペンネーム:おかゆん
 

質問:朗読の抜粋箇所の選び方 間のとり方 緩急の付け方は?

朗読の抜粋箇所の選び方にすごく悩んでいます。

どのようにして選ぶのが良いですか?


また間の取り方、緩急のつけ方を教えてください。


とのご質問をいただきました。

このご質問に、朗読検定(R)認定プロフェッサーの赤須薫さんが回答しました。


【回答1】
 

おかゆんさん、ご質問ありがとうございます。


抜粋箇所の選び方に悩んでいらっしゃるのですね。

確かに持ち時間に制限のある朗読会などで、丁度良い長さの作品を見つけることはなかなか難しい。

短編でもカットが必要な場合は多いですし、ましてや長編小説の場合は抜粋箇所を決めたうえで更にカットもしなければならない場合もありますよね…朗読って台本作りからセンスが問われるんだと思うと本当に悩ましい限りです。


さて、抜粋やカットは多くの方が頭を悩ませている作業で、絶対的な正解や方法論は無いと思うので取りあえず私の個人的な考え方をお伝えしますね。


まずは、おかゆんさん自身が一番感動した、または好きな場面を中心に抜粋する事を一番にお勧めします、あなたの心を動かした文章はそれだけの力がある文章なわけで、ストーリーとして前後の脈絡がはっきりしなくても文章そのものの魅力だけで鑑賞に値する抜粋箇所も存在すると思うからです。(文豪の文章とはそういうものではないでしょうか。)とは言え、ある程度は登場人物の関係性などを予め知っていないと理解出来ない場面もあるでしょうから、その様な場合は初めに貴方の言葉(文章)で大体の場面状況を説明したうえで本文を読み始めるという手もあります。

私がお勧めしないのは、長編の物語の起承転結を限られた時間の中で伝えようとして色々な場面を細切れに抜粋して繋ぎ、朗読がただのあらすじ、要約の報告になってしまうことです。長い文章は作者が言葉を練りに練ったうえで、それだけの内容を伝えるのにはどうしてもそれだけの長さが必要だった訳で、その内容を手短にまとめようというのには無理があると思えます。(それが出来たらそれは既に新たな創造です、可能だけど難しい。)だから、私のお勧めは作品全体を理解してもらおうと思うのではなく、おかゆんさんの感じた作品の魅力を一点集中で伝える様な抜粋です。



間の取り方と緩急についてもご質問ですね…良い朗読の肝を押さえた質問で、おかゆんさん、おぬしなかなかやるな(笑)と思うのですが、それだけに簡単にお伝えできる内容ではありません、その上で私が1つお伝えするとすれば、「間は呼吸」という事です。間は1,2,3、と長さをカウントしてとるものではありません。吸ってとる間、吐いてとる間、止めてとる間。色々試して下さい。

緩急の付け方は具体的に個々の作品に当たりながらでないと説明出来ないのですが…取りあえずお伝えできることは、内容にあった緩急表現には作品の解釈も大事ですが、同時にロングブレス、滑舌等の技術面の習得も必須だという事です。(私の実感です。)


朗読って奥深くって難しくって大変なことも多いけど一緒に楽しみましょうね!



回答:朗読検定(R)認定プロフェッサー 赤須薫



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